臨時休業のお知らせ

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誠に勝手ではございますが、下記日程は臨時休業とさせていただきます。
お客様にはご不便とご迷惑をお掛けいたしますが、ご了承の程、よろしくお願いいたします。

なお、継続案件には対応いたします。

◇臨時休業日◇

2020年3月2日(月曜日)~2021年3月31日(水曜日)(予定)

城田行政書士事務所

業務案内リビング・ウイルとは遺言証書作成・身分関係

リビング・ウイル(終末期医療における事前指示書)は残した方がいいでしょうか?

ご自分の財産や身分関係に関しての生前の意思表示である遺言とは違い、リビング・ウイル(終末期医療における事前指示書)はご自分が人生の最終段階(終末期)を迎えたときの、医療の選択についての事前の意思表示です。

医療現場では、ご家族の方に決めてもらうことも多く、ほとんど役に立たないとも言われているようですが、治療行為の中止を検討する段階で患者の明確な意思表示が存在しない場合に、患者の推定的意思を確認する有力な証拠となるので、残しておく意味は大きいと思われます。

尊厳死の基礎知識

尊厳死とは、日本学術会議の「死と医療特別委員会」によると、
「助かる見込みがない患者に延命治療を実施することを止め、人間としての尊厳を保ちつつ死を迎えさせること」ということになります。

こうした尊厳死や以下に述べる安楽死について考えることは、
ご自分の人生が限られていることを意識するようになった時には、大事なことの一つだと思われます。
まさにその人の死生観というか人生観が問われていると言っても過言ではないでしょう。

今まで、大切にしてきたご親族のために遺言の作成をお考えになることも大切ですが、
一番大切にするべきご自身のために、ご自身が人生の最終段階(終末期)を迎えたときの、医療の選択についてお考えになることも非常に大切なことだと思われます。

尊厳死について

尊厳死とは、上述のように、「助かる見込みがない患者に延命治療を実施することを止め、人間としての尊厳を保ちつつ死を迎えさせること」と定義することが出来るようです。

そして、尊厳死は「過剰な延命医療の不開始・中止」であって、「自殺でもなければ、医師の手による殺人でもない」ので、「延命医療の中止は一定の要件のもとに許容しうる」ということになるようです。

具体的には、臨終前後に不必要な点滴、人工呼吸器、心臓マッサージなどをせずに、人間らしく、尊厳を保ったまま死んでいくことです。

安楽死について

かつて、”安楽な死”とは自然死でした。
日本においても、1950年代には90%以上が在宅で最期を迎えており、在宅では原則自然死を迎えていたようです。
今日、医学の発展とそれに続く”死の医療化”や人々の医学に対する過剰なまでの幻想の増幅により、安楽死や尊厳死が問題になって来ています。

ここで、安楽死とは、「人為的な生命短縮行為」を意味し、臨床的に分類すると、①積極的安楽死、②医師による自殺幇助、③間接的安楽死、④消極的安楽死の4つに分類できるようです。

このうち、③の間接的安楽死と④の消極的安楽死は多くの国で適切な行為として特には問題にされていないようです。

そして、単に安楽死というときは①の積極的安楽死を指し、②の医師による自殺幇助とともに問題となっています。

リビング・ウイル(終末期医療における事前指示書)について

ご自分の身にもしものことがあり、
死を迎えるに当たり苦痛を緩和し取り除く必要がある場合に、安楽死や尊厳死が問題になってくることがあると思われます。

日本で、いわゆる安楽死に関する事案は複数あるようですが、
その中で例えば東海大学病院事件の判決や川崎共同病院事件の判決などを見ると、安楽死に関し自己決定の理論が重要視されているように思われます。

医療現場ではほとんど役に立たないとも言われているようですが、
治療行為の中止を検討する段階で患者の明確な意思表示が存在しない場合に、患者の推定的意思を確認する有力な証拠となるので、残しておく意味は大きいと思われます。

因みに、終末期においては約70%の患者が意思決定が出来ないというデータもあります。
(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE誌より、2000~06 年のアメリカ人高齢者3,746 人を対象にしたアンケートによる)

リビング・ウイル(終末期医療における事前指示書)とは

医療サイドでは、リビング・ウイル(終末期医療における事前指示書)は事前指示(アドバンス・ディレクティブ)の一つとして、代理決定者の選任と共に奨められていたようです。

わが国では、例えば、1976年に日本尊厳死協会(旧称:日本安楽死協会)が発足し、生と死に関する啓発運動を展開するとともに、リビング・ウィルを推奨し、リビング・ウィルを登録・保管し支援しているようです。

因みに、日本尊厳死協会が発行しているリビング・ウィルの主な内容は、①不治かつ末期になった場合、無意味な延命措置を拒否する、②苦痛を和らげる措置は最大限に実施してほしい、③回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥った場合は生命維持措置をとりやめてほしい、というものです。(尊厳死協会のホームページより引用)

 

アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning(ACP))とは

アドバンス・ケア・プランニングとは、今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセスをいいます。

患者によってはつらい作業になるようですが、意思表示が難しい状態になっても患者の意思を尊重した医療を提供してもらうことを目的としています。そして、このプロセス重視の考え方が現在の主流になって来ているようです。

ACPによって話し合われる内容は、①患者本人の気がかりや意向、②患者の価値観や目標、③病状や予後の理解、④治療や療養に関する意向や選好、その提供体制等になるようです。

また、終末期にご自身の意思を伝える手段として、代理決定者の選任という事が考えられているようです。
ここで、代理決定者とは、病状などにより、自分が考えや気持ちを伝えられなくなった時にご自身の代わりに受ける医療やケアなどについて決める人をいいます。
そして、決める内容は、どのような治療やケアを受けるか、またどこで治療やケアを受けるかといったことになります。
これにより、ご自身の価値観や考えを医療従事者やご家族と共有することができ、またご自身の治療やケアに対する考えを医療従事者やご家族に伝えることも可能になります。

成年後見制度との関係について

成年後見制度とは

成年後見制度とは、精神上の障害等(認知症、知的障害、精神障害等)により判断能力が不十分であるために、契約などの法律行為の意思決定が困難な人の能力を補う制度であり、平成12年(2000年)4月1日に施行された改正民法等により新しい成年後見制度が開始されています。

この成年後見制度を利用することで代理可能な法律行為は、財産管理と身上監護になります。

財産管理とは具体的には、預貯金の管理、公共料金の支払い、年金の受け取り、不動産の売買など重要な財産の管理・処分などの行為です。
また、身上監護とは具体的には、日用品の買い物、介護サービス等の利用契約の締結などの行為です。

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成年後見制度と医療行為の関係について

医療行為については、成年後見人等の同意や選択決定権についての具体的な規定はありません。
よって、成年後見人等は医療に関する判断をすることはできないと考えられています。

したがって、成年後見制度を利用した場合であっても、人生の最終段階(終末期)を迎えたときに、医療の選択についての事前の意思表示であるリビング・ウィルを残しておくことは有意義な事だと思われます。