城田行政書士事務所

業務案内宿泊関係営業法人・個人営業関係

今度、空いている部屋を貸したいと思うのですが、何らかの許認可が必要になって来ますか?

ちょっと調べて見ますね・・・。
あっ、個人が自宅や空き家の一部を利用して部屋を貸す場合であっても、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に当たる場合には、住宅宿泊事業としての届出を行うか、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受ける場合を除き、旅館業法上の許可が必要のようですね。

宿泊営業の基礎

旅館業法の許可が必要な場合

宿泊(民泊)について

民泊とは「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の一部又は全部を活用して提供される宿泊サービス」をいいます。
例えば、休日に友人等を自宅に泊める場合などが民泊に該当します。

そして、この民泊のうち、有償で社会性をもって継続反復されており、かつ生活の本拠性を有しない場合に旅館業法の許可が必要になってきます。

有償性について

「有償で」あるとは、宿泊の対価として宿泊料を受け取ることを指します。
受け取る料金である「宿泊料」ですが、これは名目だけではなく、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされる、休憩料、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費などが含まれます。
すなわち、これらの費用を徴収して人を宿泊させる営業を行う場合には、住宅宿泊事業法による住宅宿泊事業としての届出を行うか、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受ける場合を除き、旅館業法上の許可が必要になってきます。

社会性について

「社会性をもって」とは、社会通念上、個人生活上の行為として行われる範囲を超える行為として行われるものを指します。
よって、仮に知人・友人を宿泊させる場合には、一般的には「社会性をもって」には当たらず、旅館業法上の許可は不要と考えられます。

生活の本拠性について

費用を徴収して人を宿泊させる営業を行う場合に、利用者にとって宿泊場所が生活の本拠でない場合には、基本的に旅館業法上の許可が必要になってきます。
具体的には、使用期間が1ヶ月未満のウイークリーマンション等や使用期間が1ヶ月以上であっても、部屋の清掃や寝具類の提供等を施設提供者が行う場合(下宿など)の場合などがこれに当たります。

逆に言うと、利用者にとって宿泊場所が生活の本拠と考えられる場合、すなわち、使用期間が1ヶ月以上(マンション、アパート、マンスリーマンション、サービスアパートメント等)で、使用者自らの責任で部屋の清掃等を行う場合などは、貸室業・賃貸業であって旅館業には当たらないと思われます。

旅館業法における3種別

旅館業法における3種別

旅館業法で規制される、すなわち許可が必要とされる営業形態は3種類あります。

すなわち、宿泊期間や構造設備の違いから、旅館・ホテル営業、簡易宿泊営業、そして下宿営業に分かれます。

詳しくはこちら

不動産賃貸業との違い

旅館業法の許可の要否

不動産賃貸業を行う場合には、許可は必要ありません。
では、不動産賃貸業と旅館業法の許可が必要になってくる民泊とはどこが違うのでしょうか?

これは2つの条件から判断します。

すなわち、当該施設の衛生上の維持管理責任が利用者にあり、当該施設が利用者の「生活の本拠」に該当する場合は、不動産賃貸業に当たり、上で述べたように許可なしで不動産の賃貸業を営めます。

具体的には、施設の衛生上の維持管理責任が利用者にあり、利用者の滞在期間が1ヶ月以上ある場合は、旅館業ではなく、不動産賃貸業に該当し、許可が不要になってきます。

ちなみに、動産賃貸業とは、自らが貸主となり土地や建物などの不動産を賃貸して賃料を得る事業をいいます。そして、不動産賃貸業のみを営む場合には、宅地建物取引業法の免許も必要ありません。

旅館業について

旅館・ホテル営業

旅館・ホテル営業とは?(その定義)

「旅館・ホテル営業」とは、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」をいいます。

この営業の許可を受けて、いわゆる民泊サービスを行うことが可能です。

旅館・ホテル営業の構造設備要件

旅館・ホテル営業の許可を取得するには、使用する施設の構造設備が以下の基準を満たす必要があります。

  • 一客室の床面積は、七平方メートル(寝台を置く客室にあつては、九平方メートル)以上であること。
  • 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他当該者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基準に適合するものを有すること。
  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  • 適当な数の便所を有すること。
  • その設置場所が法第三条第三項各号に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲おおむね百メートルの区域内にある場合には、当該施設から客室又は客の接待をして客に遊興若しくは飲食をさせるホール若しくは客に射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の設備の内部を見通すことを遮ることができる設備を有すること。
  • その他都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市又は特別区。以下この条において同じ。)が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

簡易宿所営業

簡易宿所営業とは?(その定義)

「簡易宿所営業」とは、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」をいいます。

この営業の許可を受けて、いわゆる民泊サービスを行うことが可能です。

簡易宿所営業の構造設備要件

簡易宿所営業の許可を取得するには、使用する施設の構造設備が以下の基準を満たす必要があります。

  • 客室の延床面積は、三十三平方メートル(法第三条第一項の許可の申請に当たつて宿泊者の数を十人未満とする場合には、三・三平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること。
  • 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね一メートル以上であること。
  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  • 適当な数の便所を有すること。
  • その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

簡易宿所営業の許可基準の緩和

平成28年4月、衛生水準の確保が可能な範囲において、簡易宿所の許可基準が緩和され、従来よりも容易に簡易宿所営業の許可を取得することができるようになりました。

この規制緩和により、簡易宿所営業の許可要件である客室に必要な延床面積(33平方メートル以上)の基準が改正され、一度に宿泊させる宿泊者数が10人未満の施設の場合には、3.3平方メートルに宿泊者数を乗じた面積以上であれば許可を受けられるようになりました。

下宿営業

下宿営業とは?(その定義)

「下宿営業」とは、「施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をいいます。

下宿営業の構造設備要件

下宿営業の許可を取得するには、使用する施設の構造設備が以下の基準を満たす必要があります。

  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  • 適当な数の便所を有すること。
  • その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

その他の制度に基づく手続き上の注意点

建築基準法について

使用予定の建物が所在する地域において旅館業の立地が禁止されている場合があります。
すなわち、建物が建設できても旅館業をすることが出来ない場合があります。

また、建築基準法の用途変更の建築確認の手続きが必要となる場合があります(なお、用途変更のための建築確認の手続の要否にかかわらず、建築基準法に適合させる必要があります)。

消防法について

民泊サービスを利用する方や周辺住民等の安全を確保するため、消防用設備等の設置、出火防止、避難、通報等の防火安全対策が必要です。

詳しくは消防庁作成のリーフレットをご覧下さい。(外部リンク)

賃貸契約等について

旅館業の営業許可を受けようとする場合、ご自身の所有する建物を使用 する場合と他者から建物を借り受けて実施する場合が考えられますが、いずれの場合でも営業許可を受けることは可能です。

ただし、他者から建物を借り受けて営業を行う場合は、賃貸借契約において、転貸(いわゆる又貸し)が禁止されていないことや、民泊サービス(旅館業)に使用することが可能となっていることを貸主や賃貸住宅の管理会社に確認していただく必要があります。

また、分譲マンションの場合、通常はマンションの管理規約等で用途を制限しているため、管理規約等を確認いただく必要がありますので、トラブル防止の観点から事前に管理組合に相談されるなどの対応をしたほうが良いと思われます。

営業開始後の注意事項

営業開始後の注意事項

営業にあたっては、寝具の交換や浴室の清掃などの衛生管理を適切に行うことが義務づけられています。
衛生管理に関する具体的な基準は各自治体の条例により定められているので、確認することが必要です。

また、営業者には宿泊者の氏名、住所等を記載した宿泊者名簿を備えることが義務づけられています。
そして、宿泊者が日本に住所を有しない外国人の場合は、パスポートのコピーの保存が必要です。

いわゆる民泊新法について

住宅宿泊事業

住宅宿泊事業法(民泊新法)について

旅館業法で定める3つの営業形態(旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業)や国家戦略特別区域の特区民泊に該当しない、「住宅宿泊事業」等に関して規定する法律です。

民泊のうち、一定条件を満たした場合「旅館業法」の対象外となり、比較的規制の緩い「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が適用される場合があります。

住宅宿泊事業とは?(その定義)

「住宅宿泊事業」とは、「旅館業法第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないもの」をいいます。

当事務所でお手伝いできること

  • 当事務所では、宿泊営業の許可申請のお手伝いをさせて頂いております。
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